「原発ゼロ、やればできる」 小泉元首相

「右も左も関係ない。国を愛するという事は原発をゼロにするということだ。」

いや~アツイですね。

元総理大臣の発言ということで、非常に説得力があります。

今回は2018年12月21日に発売された小泉元総理の著書をご紹介します。

わたしは、年末年始の休み中になんども読みかえしていました。

この本で特に参考になったポイントを10個ほどに絞ってお伝えします。

この本には本当にいろいろ学ばせていただきました。普段のニュースだけ見てボーっと生きてちゃダメですね。

日本国民なら是非購入して手元に置いてほしい一冊です。

けっこう長い記事となりますので、目次から読みたいところだけを選んでもらえればと思います。









1.原発をつくりたがる人たちに騙されていた小泉元総理


日本人はそれまで信じていた原発の「安全神話」がウソだったことを思い知らされました。

2011年3月11日に発生した東日本大震災により起きた福島第一原子力発電所の事故によって。
それでわかったのは、原発をつくりたがる人たちが口にする三つのメリットー安全・低コスト・クリーンエネルギーが、すべてウソだったということです。
2018年 太田出版 小泉 純一郎 『原発ゼロ、やればできる』 9Pより引用≫

総理大臣という責任ある立場にありながら、原発をつくりがる人達のウソを信じて原発を推進してきてしまった。

その悔しさから原発に関する本を数えきれないほどたくさん読んで勉強されたそうです。

そして、原発をゼロにし国内の電力すべてを自然エネルギーでまかなうという結論に至ったとのこと。

2.5000万人が避難する可能性もあった福島原発の事故


定期検査中だった四号機では、核燃料が原子炉から取り出されて使用済み核燃料プールに保存されていました。

電源喪失によって使用済み核燃料プールの冷却と水の補給機能が失われ、水位の低下が懸念されていましたが、誰も建屋に入れないので、冷却することができない。

たまたま水素爆発を起こして建屋の天井が吹き飛んだおかげで、外からの放水による冷却ができるようになったのですが、あのまま燃料棒が水面に露出していたら、メルトダウンを起こしていたかもしれません。

そうなったら被害規模は何十倍にもなっていました。

福島原発から二五〇キロメートル圏内が立ち入り禁止になったかもしれません。

当然、そこには東京も含まれます。
2018年 太田出版 小泉 純一郎 『原発ゼロ、やればできる』 38,39Pより引用≫

2011年に起こったことは、「最悪の結末」だと思っていました。

しかし、もっと被害が大きくなった可能性があったと。

この場合、日本の首都が丸ごと消えてなくなり、5000万人もの人々がそれまで暮らしていた町を捨てて避難しなければならなかったそうです。

言葉がでませんね。。

3.事故の検証もせずに再稼働する非常識


原子力規制委員会は福島の事故のあと、原発を動かすための基準を前よりも厳しくしたそうです。

そもそも福島の原発事故は、まだ原因がきちんと検証されていないため、どれだけ基準を厳しくすればいいかわからないとのこと。

その新しい基準に合格した川内原発の再稼働を認めたとき、原子力規制委員会の田中俊一委員長(当時)は、記者会見で質問に答えてこんな発言をしたそうです。

「安全審査ではなくて、基準の適合性を審査したということです。

ですから、これも再三お答えしていますけれども、基準の適合性は見ていますけれども、安全だということは私は申し上げませんということをいつも、国会でも何でも、何回も答えてきたところです。」
2018年 太田出版 小泉 純一郎 『原発ゼロ、やればできる』 45Pより引用≫

つまり合格しても安全ではないと。

「再び事故が起こっても責任とらないけど原発動かすよ」と言ってるようにしか聞こえません。

4.地元への交付金や補助金は原発のコストに含まれていない


発電所を受け入れてくれる地域がそう簡単に見つからないのが、原発の特徴です。

危険な原発を地元に受け入れてもらうには、多大なコストがかかります。

そのコストは、電力会社が払うわけではありません。

交付金や補助金など多くの税金を投入して、「これで原発を引き受けてください」と地元の自治体を説得するのです。
2018年 太田出版 小泉 純一郎 『原発ゼロ、やればできる』 52Pより引用≫

原発が他のエネルギーよりも低コストなのは「燃料を電力に変えて供給するところだけ」です。

このような「国民の税金」を含めて考えると、原発はものすごく高コストな電源ですね。

5.原発ほどコストの高い発電所はない


原発1基をつくるのにかかる費用も、福島の事故前より上がっているそうです。

事故前は1基あたり5000億~6000億。

いまはお金をかけて安全対策を厳重にしなければいけないので、1兆円以上かかるそうです。

それだけでも膨大な税金の投入なしでは成り立たない原発産業ですが、費用がかかるのはつくるときだけではありません。

廃炉にするときも税金が使われ続けるそうです。

いま世界でいちばん原発の廃炉作業が進んでいるイギリスでは、ひとつの原発を完全に廃炉にするまで九〇年から一一〇年もかかるといわれているそうです。
2018年 太田出版 小泉 純一郎 『原発ゼロ、やればできる』 53Pより引用≫

廃炉にするまで、長生きする人の一生と同じくらいの時間がかかるそうです。

つくるときだけではなく、長い年月をかけて廃炉にするまで、気が遠くなる額の税金が投入され続けるとは。。悪夢です。

お願いします。もうホントつくらないでください。

6.一兆円の国費を投入した『もんじゅ』の挫折


2016年12月に正式に廃炉が決定した「もんじゅ」。

ニュースで耳にした方も多いはず。

使えば使うほどプルトニウムが増える「夢の原子炉」。

しかし、度重なる事故・トラブルでほぼ稼働せずに廃炉となりました。

この三十年間で、もんじゅには一兆円を超える税金が投入されました。

それが水の泡となったのですから、国民にとっては夢どころか「悪夢の原子炉」です。

しかも、廃炉が決まったからといって、これからはもうお金がかからないというわけではありません。

いまでも維持管理費だけで一日あたり四二二〇万円以上もかかっています。

これから始まる廃炉作業にも相当な費用がかかりますし、その作業が何年かかるかもわかりません。
2018年 太田出版 小泉 純一郎 『原発ゼロ、やればできる』 62Pより引用≫

まさに悪夢の電源ですね。

”一日”の維持管理費がサラリーマンの平均年収の約10倍とは。。

コスト面だけ見ても原発は何もおいしくないですよね?

もういいです。やめましょうよ。

7.10万年後まで核廃棄物を抱え続ける

では、この危険な放射性廃棄物をどう処理すればいいのか。

じつは、原発の建設を始めたときには、その解決策が見つかっていませんでした。

ゴミが出ることはわかっていたにもかかわらず、「いまはどうしていいかわからないけど、そのうち技術が発達して、うまく処理できるようになるだろう。」と将来にツケを回すような形で、見切り発車してしまったのです。

なんとも無責任な話です。
2018年 太田出版 小泉 純一郎 『原発ゼロ、やればできる』 57,58Pより引用≫

放射性物質の危険性を一瞬にして消し去る技術はありません。

地下に埋めて、ただひたすら放射能が減るのを待つしかないそうです。

生き物にとって安全な状態になるまでには、10万年もかかると見られています。

現在世界で唯一の最終処分場を建設しているのは、北欧のフィンランドのみとのこと。

そして、ここは「外国の核廃棄物は受け入れない」そうです。

ということは、日本は自国の地下に核のゴミを埋めるのでしょうか?

大きな地震の予測もつかない日本で、10万年も放射性廃棄物を埋めておけるのでしょうか?

いつかは核のゴミがもれでてくる未来しか見えません。

8.自然エネルギーだけですでに原発15基分の電力供給


東日本大震災の前まで、太陽光発電や風力発電はかなりマイナーな存在でした。

日本の発電量に占める割合は、わずか一%ぐらいだったのです。

現在もそのぐらいのものだと思いこんでいる人が多いかもしれません。

しかしそれらの割合は、震災後に急上昇しています。

二〇一六年度はおよそ七%。そこに水力発電を加えた自然エネルギー全体の割合は一四.五%にのぼり、これは原発一五基分の発電量に相当します。
2018年 太田出版 小泉 純一郎 『原発ゼロ、やればできる』 82,83Pより引用≫

原発15基分にあたる14.5%の割合でも先進国のなかでは最低レベルとのこと。

ドイツの自然エネルギーの割合はすでに30%を超えています。

ただ、日本はドイツのように「原発ゼロ」の方針を打ち出し、政府が自然エネルギーを積極的に支援しているわけではありません。(最近の太陽光発電の出力抑制を見ると、むしろ抑制したいように見えてしまいます。)

原発事故で「このままではマズイ」と考えた人々の動きによって、ここまでの割合にできたことは素晴らしいことだと思います。

この動きが消されてしまわないことを願うばかりです。

9.自然エネルギーで日本は「資源大国」になれる


これまで日本は「資源のない国」といわれ続けてきました。

しかし、自然エネルギーに転換すれば、資源は無限にある。

それをうまく活用すれば、日本は一気に「資源大国」になります。

エネルギーを輸入に頼る必要がなくなれば、資源を持つ外国の思惑に左右されることもありません。
2018年 太田出版 小泉 純一郎 『原発ゼロ、やればできる』 99Pより引用≫

2019年度の税収見込みは、消費税増税のおかげもあり過去最高となるようですね。

しかし、日本は借金しなければ生活できない国です。

かぎられた税金を原発に使っても、コストは高いし、事故を起こせば領土すら未来に残せない可能性もあります。

それよりも、「自然エネルギーを推進しよう」とするのは当然の流れではないでしょうか?

近年電気自動車の技術革新で、蓄電池技術も大きく発展しています。

蓄電池が小型になり、軽量になり、大容量となり、そして安価になってきています。

蓄電池に電気を貯めることで自然エネルギーの不安定さも解消され、十分『基幹電源』になると思います。

10.総理さえ『原発ゼロ』を宣言すれば歴史的な大事業に


およそ半世紀にわたって日本の原発推進政策を支えてきた「安全・低コスト・クリーン」という三本柱は、すべてウソでした。

また、じつは原発なしでも日本の電力は足りることもわかっています。
2018年 太田出版 小泉 純一郎 『原発ゼロ、やればできる』 102Pより引用≫

いまの野党の多くも、「脱原発」を支持しています。

二〇一八年三月には、立憲民主党が共産党、自由党、社民党といっしょに「原発ゼロ基本法案」を国会に提出しました。
2018年 太田出版 小泉 純一郎 『原発ゼロ、やればできる』 103,104Pより引用≫

また、自民党と連立与党を組む公明党も「原発ゼロを目指す」としています。

あとは自民党さえ「原発ゼロ」に舵を切れば、与野党一致でそちらに進むことができるでしょう。
2018年 太田出版 小泉 純一郎 『原発ゼロ、やればできる』 104Pより引用≫

ここまでの条件が整っていて、なぜ総理が決断しないのかわたしには100%理解できません。

是非、次の総理に決断して頂きたいと願っています。

小泉元総理も、自分が今も総理大臣の座にいれば迷いなく決断するとおっしゃられています。
原発はゼロにできるし、しなければいけない。

そして、将来はすべての電力を自然エネルギーでまかなう。

これが、日本をより良い国にするための「国家百年の計」です。

もし私がいまも総理大臣の座にいれば、いささかの迷いもなく、この基本方針を打ち出すでしょう。
2018年 太田出版 小泉 純一郎 『原発ゼロ、やればできる』 102,103Pより引用≫

11.『原発ゼロ、やればできる』まとめ


2011年3月11日に発生した東日本大震災。

スマホのTVで見た、現実とは思えない津波の光景。

電車は止まり、奥さんと子供が心配で何時間も走って家路に着きました。

まだまだ自分はマシでした。でも、「次」があればどうなるかわかりません。

『原発ゼロ』。

これは「日本人」として誰もが考えなければならない問題だと思います。

この本を題材にして、全国の学校で授業しても良いのではないでしょうか?

「原子力発電の問題点と失敗から学ぶこれからの日本の未来」きっと密度の濃い授業ができますよね。

原発によって大きな辛いことが起きましたが、ピンチはチャンスにできると思います。

ピース・又吉直樹さんが近畿大学の卒業式でスピーチされていましたが、
「バッドエンドはない、僕たちは途中だ」
2011年の原発事故を「災難だったよね」で終わりにしてはいけないと思います。

「原発ゼロ」・『自然エネルギー100%の社会』に向けて、自分でもやれることをやっていかなければならないと再認識させられました。

この本は、小泉元総理のアツイ想いを感じた渾身の一冊です。何度も読み返したいと思います。

長い文章でしたが、最後までお読みいただきありがとうございます